Week27
第27週です。「茎の伸び」は2週連続(W26-27)で小さくなりました。「茎の太さ」は増大に転じました。先週と比べかなり大きくなりました。「全葉数」は3週連続(W25-27)で大きくなりました。先週と比べ非常に大きくなりました。開花花房の進展速度の増大により、生殖/栄養バランスは生殖成長に傾きました。先週(W-26)と比較して、茎の伸びは小さく(-8%)なり,茎の太さは大きく(+11%)なりました。開花花房の進展速度の増大(+33%)により、生殖/栄養バランスは生殖成長傾向(A/B=1.14)と判定されました。
アドバイザからのコメント
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生育の写真を見る限り、花も4~5花ついて開花していますし色も悪くないと思います。僅かに上位の葉が小さいので生殖成長と見えます。ただし、茎は少し太く見えますので、樹勢は少し強めに思います。見た目には問題はありません。データをみると太さと伸びは良い状態。全葉数がかなり多くなるなか、Top50の葉面積が落ちています。花などが悪くない割に、生育バランスも生殖成長となっているので、ここではわかりませんが、着果負担が大きかった影響が考えられます。着果負担の有無を確認して、削減(特に、適期収穫)を検討してみてください。
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今週の生育スケルトンレポートです。
PDFをダウンロードできます。
Week27の環境制御レポートです。
アドバイザからのコメント
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天候の変化が多い時期ですが、この3週は日射量が平年より多く、安定して推移していました。また、気温も平年より高い状態で安定していました。栽培環境としては非常に良い状態が続いていると思います。 屋内環境は、平均気温が下がりました。上限としている30℃を超える時間が少なくなった点は良いかと思います。日中が大きく下がっているのですが、暖房設定の変更が要因かと思います。また僅かに湿度が下がっています。外気があまり変化ないので、屋内のミストの影響と思います。CO2は低濃度施用で維持されているようです。飽差としては平均的には許容範囲ですので光合成環境としては良い状態と思います。 生育としては悪くはないのですが、平均温度が下がると着色は遅くなります。日射量も多くて、果実肥大は増えると思うのですが、着果負担の変化が大きくなるので、総じて生育のバランス維持も難しくなります。転流促進のためにも日平均は0.5℃程度上げる方向が望ましいかと思います。30℃越えは多くなければ問題ありません。
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week27の給液レポートです。 この一週間、大きな異変はなかったです。 また、総収穫量のデータはなかったため、尻腐れ率などは来週まとめて出します。
収穫状況です。
今作と前作の総収穫量の比較データです。
オレンジのグラフが、前作の総収穫量で、青いグラフが今作の総収穫量になります。
今週のミーティング結果です。 先週のLAI確保の方針により全葉数が増えたため、今週の葉カキ枚数は2枚としました。 また、午後からの湿度低下に対応するため、細霧の温度設定を25℃に変更しました。
アドバイザからのコメント
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今の収穫最盛期の理想は着果負担と樹勢のバランス維持です。その点で急変化はさせないようにしてください。具体的には、予定より多い花(特に小さい蕾)は早めにとる、奇形や尻ぐされでもバランス維持を考慮して早期に取る・残す数を決めたほうが良いと思います。 週3枚(果房1)進展するなか、2枚葉かきです。現在の上位の葉の大きさはわずかに小さい程度ですので問題ないとは思いますが、葉の大きさの差を考慮(できれば計算)して妥当性を判断しましょう。尚、樹勢の弱い株は適宜変更してください。 今回、日射量のわりに、平均温度が下がっていて、かなり樹勢が強くなることを危惧していました。結果として、少し強い程度でしたので着果負担と判断していました。一方、果房展開速度は落ちていました。これは温度下げの影響もあると思います。 温度はあげたいところですが、気温が高い日があるなか、まだ急激に下がる日がでてきます。そのため、下げ気味でもよいので、日射があるときは0.5℃上がるようにしてください。尚、日射強度としては強くなっています。実際に植物(葉や実)にあたると温度は気温より高くなっています。その点でも下げ気味でも問題ないとは思います。 側枝利用や欠株のあるところで、群落のムラができないように、調整してください。光合成と温度管理において重要です。
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